【認知症予防】口数の少ないご利用者が、他の方と楽しく交流するための工夫xinpainter2017年1月8日読了時間: 2分今回は、口数の少ないご利用者が、「兄弟」との思い出話をきっかけに、他のご利用者と交流できるようになった事例をご紹介します。 【 O様 女性 90代 】 ・介護度 : 2 ・アルツハイマー型認知症 ・認知症自立度 : Ⅲ ・デイサービス O様は、普段から他の利用者や介護職員さんと話をすることが苦手であり、控えめな性格の方でした。お一人で不安を抱えている様子がみられました。 ◼︎楽しく他の方と会話ができるまでの様子 ミッケルアートの回想法を行いました。ミッケルアートには、昔懐かしい絵が描かれています。絵を見ながら、週2回、20分位使って思い出話をすることで、認知症の周辺症状が緩和する効果があります。 <開始から1ヶ月目> 大切にされている思い出 最初は、絵を見ても一人で考え込む様子が見られました。しかし、参加する度に、自らお話をする様子が見られるようになりました。きっかけは、家族が描かれている絵を見た事です。 <開始から2、3ヶ月目> 自分の想いをお話するようになりました。 「家族が記念写真を撮影している絵」や「兄弟で遊んでいる絵」を見ながら、懐かしそうに昔を振り返り、「生きている兄弟に逢いたい」と話されていました。 <普段の生活> ご利用者同士が話す機会が増えました。 ミッケルアートに参加しているご利用者と「子育て」について談笑する姿が見られるようになりました。 ◼︎周辺症状の変化 以前は、自分から発言することはなく、一人で考え込む様子が見られていました。兄弟や子育ての大切にされている思い出の話をきっかけに、会話が増え、自ら他のご利用者や介護職員とコミュニケーションを取る機会が増えました。 ★介護スタッフ様の工夫 「O様は、他のご利用者と比べご高齢であり、職員や、他のご利用者と共通の話題が少ないことが課題でした。そこで、ミッケルアートをきっかけに、職員から質問を投げかけるように心がけました。」 ◼︎まとめ ・絵をきっかけに、その方の大切にされている思い出を知る。・その思い出が語りやすい参加メンバーを募る。・介護職員さんが、話のきっかけをつくる。 192名の認知症高齢者の周辺症状を分析したところ、無気力、無関心は、認知症が悪化する初期の症状であることがわかりました。 思い出話をきっかけに、楽しく過ごして頂くことが、認知症予防に繋がると期待されます。 より良い認知症ケアを通じて、ご利用者、ご家族の喜びにお役立てください。 ※平成27年日本認知症ケア学会演題発表「ミッケルアート回想療法によるBPSDのクラスター分析」
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