『地域の塗り絵』誕生までの道のり 

 地域の塗り絵は、ミッケルアート考案者である橋口論が「意欲の低下が見られる高齢者や認知症を患っている方に活力を」と企画・制作したものです。施設を利用するお年寄りに話を聞くと、みなさん故郷での思い出を大切にしていらっしゃいます。その想いにヒントを得て、子供の頃の遊び場やお祭りなど「大切な故郷での懐かしい場面」を題材としています。塗り絵制作にあたって多くのご意見を頂いた作業療法士の宇佐美先生との共同監修として、2012年に商品化致しました。 

作業療法士から見た地域の塗り絵 (作業療法士 宇佐美好洋) 

 「人は、作業をすることで元気になれる」という作業療法の考え方があります。 ただ、その作業はなんでもいいわけではありません。その作業は、その人にとって意味のある作業、価値のある作業でなければ元気になれません。 自分にとっての意味のある、価値のある作業とは何か?なかなか聞かれてもぱっと答えられる人は多くないと思います。

 

 人の作業は、過去、現在、未来とつながりがあります。過去があっての今です。今があって未来へ続きます。過去を振り返ると今、自分が大切にしていること、意味のある、価値のある作業に気が付きます。自分は、これが大切だったと。また、その背景(理由)に気がつくことができます。

 地域の塗り絵をしながら、回想法を行うことで、意味のある作業、価値のある作業を言語化します。そうすると、無意識のレベルであった、やりたい作業は、意識化します。それをどんどん、明確にし、具体的にできるよう計画が立てられれば、主体的に行動できるようになるのです。

宇佐美好洋先生

【所属】帝京平成大学 健康メディカル学部 作業療法学科 助教

【現在所属している学会】日本作業療法士協会、東京都作業療法士会

【研究の分野】身体障害作業療法、老年期障害作業療法、専門職間連携

【主な研究項目】特別養護老人ホームにおける作業療法士と介護職の連携に関する研究